アムドの南

中国青海省東北部チベット文化圏を中心にした旅の記録です

唐克→若爾蓋→郎木寺

 

なぜか今風にガラス張りになっている浴槽でシャワーを浴びてから食事。

右側にガラス張りのシャワー室。

 

火鍋があったので今日もそうしようとしたら、一人で囲むには鍋が大きすぎた。
いろいろ探してるうちにいつのまにかホテルの隣の食堂にたどり着いていた。
普通の中華料理だ。ところが味付けが並ではなかった、とても上品なのだ。どこかのホテルのレストランといった感じだ。
大きめのただの青唐辛子の炒め物なのに、片面にだけ焼き色を付けて丸のまんまきれいに並べてある。
びっくりして厨房を見ると、品のいいおやじが働いていた。
もしかすると、北京辺りの高級レストランで働いていたが、コック同士の競争に疲れ田舎に越して来たのではないだろうか。

 

 

翌日は強い雨が降っていた、ホテルの隣りが乗り合いの停まっている所だ。
荷物を持たずに様子を見に行くと、また昨日の兄ちゃんが待っていた。
「若爾蓋」まで200元でどうだと言う。
周りを見渡していると、この雨じゃ一緒に行く人はいないよと言われ、しぶしぶ荷物を持ってきて乗った。


若爾蓋(ゾルゲ)の街はけっこう大きい。ターミナルに行くとバスは2時半発だった。まだ9時だ時間は十分ある。
昼ごろになって雨がやんだ、雨がやむとみんな出てきてにぎやかになった。
街を歩いて食事して茶館で休んでまた散歩してバスに乗った。

食後のチベット人も雨で少し考えている。

チベット仕様の馬。

アムドの店の看板は色が統一されている、えんじが基本。

 

 

道はまた緑のじゅうたんの丘に囲まれた道だ。テントや馬がいっぱいある。雨のおかげでみずみずしい。

 

 


ついに旅の最後の街「郎木寺」に着いた。
この街は以前から世界中のバックパッカーに愛されてきた所だ。
他の街より平地が狭く、低い山が入り組んで取り囲み、大地の懐に抱かれたような気がする不思議な所だ。
それだけにここに長居する人も多いらしい。今回もこの旅で初めて出会った白人が何組かいた。
一軒だけある喫茶店で昼間から何するでもなくぼ~っとしている人もいる。聞けばデンマーク人だと言った。


くの字に曲がる一本の坂道に、しゃれたみやげ物屋や食堂、商店が並んでいる。ユースホステルも三軒くらいある。
そして銀行がなぜか二軒もあり、気分屋のATMが置いてある。
メインの坂道は全面工事中で、雨でぐちゃぐちゃ、じつに歩きにくい。
その上手前の十字路がバスの発着所になっていた。
たぶん、前はバスターミナルであったであろう所で、軍人さん達が訓練していたので、駐留軍にのっ取られたのだ。


その近くのホテルに宿を取ったら2、3階が軍隊の宿舎になっていた。おかげで4階まで荷物を持って上らされた。
シャワーは夜8時から11時までだった。

少し休憩してから、一本の道に並ぶ店をいろいろのぞきながら歩いた。
チベット人の経営が多く感じがいい。
そんな一軒で食事をする。あこがれの青稞酒があったので飲んでみた、麦焼酎という感じだった。

支払いをしようとすると若い男が日本人かと聞く。そうだと言うと、日本人はグーだと言って親指を立てて見せた。
この街は日本人の若者もたくさん訪ねている、過去の実績だな。
今年日本人は来たかと聞くと、さっぱりだと答えた。こんな所でも日中関係が影響している。

 

ぐちゃぐちゃの夜道を、懐中電灯を頼りに宿に戻った。