郎木寺散策
もう一つ行きたい街がある、隣りの「瑪曲」だ。郎木寺から往復できる。
泥んこターミナルから9時半にバスが出るというので、雨を避け商店の軒下に立って待っているとさっそく来た。
窓に大きく、瑪曲⇔郎木寺⇔選部とかいてある。
いそいそと乗り込んだが、3キロ先の幹線道路を標識とは別の方向に曲がる。
違う行き方もあるんだろうと思っていたら、同じ行き先を書いたバスとすれ違った。
もしかすると反対方向に乗ってしまったかも。と思ったがもう遅い。
途中で降りたところで戻る方法がない、あきらめて終点まで行ってしまった。
1時間半くらいで着いたので、折り返しに乗って戻れば行けるだろうと思ったが。
「合作」行きに乗り、途中下車だと運転手さんに言われる。
そこからまた乗り合いを見つけなければならない。その上1時間くらいたってから出発した。
これでは行って帰ってこれない今日はやめて郎木寺見学に切り替えた。
郎木寺には寺が二つある。くの字に曲がる道の右手とその先の道のはずれに。
中国人観光客がけっこうおおぜいいる、しかしみんな手前の寺を見物している。
チベットの寺はどこも似ているので先の寺までは行かない。
人を避け上の寺を見に行く。
お堂の中はどれも入れなかった、しかたなく寺をコルラする。
道もよくわからない、てきとうに裏の丘に登ってみる。
村がよく見える、静かで美しい。
途中大きなマニ車が納めてあるお堂のそばに、花が咲いていた。
もしかしてこれは、あのトリカブト?
周りにもたくさん咲いていた。
ふと思う。
もしも死にたくなったら
郎木寺に来よう
トリカブトを抜いて
鳥葬の丘に登ろう
その根をかじり
もだえ苦しんで息絶えた僕の体を
ハゲ鷹がついばみ
天高く運んでくれるだろう
喫茶店の窓から見えた鳥葬の丘と石の台
ぐるっと回ってまた通りに出る。
銀行があったので両替をしようと思うが、ATMが動かない、窓口に行くと下の銀行に行けと言われる。
下の銀行来る前に寄ってみたがATMはやはり動かなかった。
少し使いすぎて金が厳しくなってきている、あきらめて少しずつ使ってATMが使える街までもたそう。
と思っていると、下の銀行でATMの前に男がいる。
カードを入れるとぶじ両替できた。さっきは使えなかったのに、なんなんだよ。
廊下に出るたび軍人に会うのもいやだから部屋を変えた。郎木寺賓館。
その横に喫茶店がある、少し休んでホテルに戻った。
ホテルのフロントの女の子、実に容量がよくテキパキ仕事をこなす。
そして暇になるとロビーのソファーで仲間とゴロゴロしている。