アムドの南

中国青海省東北部チベット文化圏を中心にした旅の記録です

蘭州のライチー

 

「永靖」からのバスを降り、ターミナルの前の道を歩いて街の中心に行ってみる。
工事中の歩道に屋台がたくさん並び、すごい数の人が歩いている。
その上日差しが強い、うんざりしつつもけっこう好きだったりする。

 

朝ホテルのお姉さんに、旅行前にテレビで見た蘭州のラーメン屋の店の名を三つ書いた紙を見せたのだが、一つしか知らなかった。
その一つも、あなたの持っている地図の中にはないわ、もっと西の方と言われた。
地図に書いてある有名なラーメン屋を指差し、ここがおいしいからここにしなさいと言われた。
でもそこには行ったことがあった。
しかたない自力で歩いて探そうと思い歩いているが、ラーメン屋など全くなかった。

 

帰りのタクシーで紙を見せると、お姉さんが言ったのとは違う店を差しあっちの方だと言いう。

今行くのか、駅前に行くんだろ、どっちなんだとすごいけんまくでどなる。
明日行くんですとあやまってしまった。

 


駅から北へ延びる二本の大通りをつなぐように小さな道があり、そこに食堂が並んでいる。
昼間見たときは、こんな汚い所で飯なんか食えるかと思ったが。
夕方通ってみると、よく冷えたビールを店の前に並べたテーブルに座り、客がうまそうに飲んでいる。

ずーーーっと、旅の間中ビールは常温だった。冷えたのがあると言った店でも日本人からすればぬるい。
もうがまんできなかった! 肉の串焼きを食べながら冷たいビールを思いっきり飲んだ。
少しくらい汚くても暗くて見えやしないぜ。

 


食後一回りしてホテルに戻る途中、果物屋の屋台があった。
そこにきれいに枝を結わいたライチーがあった。
すごくおいしそうだ、思わず買ってしまった。
100グラム8元、300グラムね。ってことは24元。お姉さんは売れたのでとってもうれしそうだ、きっと彼女が考えて結わいたのだろう。

 あと旅行は一日しかない、こんなに食べられるかと思ったが実においしい、半分残すことのほうががたいへんだった。

東南アジアに行くとどこでもあると聞いていたが、実はライチーは中国広東省あたりが原産地らしい。

旅行中いろんな所で見かけた。

唐克で売ってたライチー、蘭州とは大ちがいだ。

そして健康にもいいらしい、食いすぎだと思ったが、翌日なんとなく体調が良かった。

 


翌日の朝、昨日聞いたラーメン屋の紙を違う運転手に見せると、知っていた。なぜかうれしそうにしている。
かなり走って東のはずれの川の近くにあった。しかしそこは高級中華料理店で、小さなラーメン屋の予想を裏切った。
そして午前11時をすぎないと開店しなかった。

あきらめることにした。
前に食べた有名な店で、たくさんの人に囲まれながらラーメンを食べて終わりにした。
蘭州ラーメン食いつくし大会は見事に失敗に終わった。

えんじゅの並木が美しい蘭州の街並み、立派な都会だ。

 

 

そしてバスに乗り、今までと違いとても乗り心地のいい高速道路を西寧へと戻った。