アムドの南

中国青海省東北部チベット文化圏を中心にした旅の記録です

瑪沁→甘徳→達日

 

「瑪沁」の街から西に100キロ近くいくと「雪山郷」がある、そこからまた150キロくらい行くと「下大武」がある、去年村長の家に泊まった所だ。

その一本の山道の左手にアムニェ・マチェン山脈が連なっている、最高峰は6282mある。

しかしこの道はすべてが標高4000m以上だ。そして雨季の夏は遠い山は雲がかかってめったにお目にかかれない。

そしてその道の土手のようなところに、今回の旅の最大の目的ブルーポピーが咲いているのだ。

 

8時頃出たバスは午後2時前に瑪沁に着いた。このぶんなら雪山郷まで行けるだろう、そして一泊して氷河や草花をたっぷり見て戻ってこよう。

そう考え、バスを降りてターミナルにたむろしている運転手らしき男達に聞いてみた。

これから行って一泊して見学して明日帰ってくるとなると2000元だなと言う。高すぎる。

まけても1500元だ。日本人なら1800元だ。

いろんな男がいろいろ言う。

あまり真剣に答えてくれない

いくら考えてもそんな予算はない。

少し考えてみようと外国人も泊まれるホテルの場所を聞いて歩き出したが、どこまで行ってもそれらしきホテルはなかった。

ターミナルまで戻り反対方向にあったホテルに泊まった。なんだかおちょくられているみたいで気分が悪い。

しかしホテルで休んでから考えてみた。道は舗装されてなく4WDでなければ行けない、運転手の宿泊費や食費も考えればこの値段かもしれない。

明日早くターミナルへ行って一緒に行く観光客を探すしかない、でも観光客がいるかどうかもわからないし、そんなに安くもならないだろう。

 

旅行前から楽しみにしていたブルーポピーだったが、なんだかがっかりしてしまい、あきらめたくはなかったのだがいろいろめんどくさくなり、またいつか来よう、ということになってしまった。

そして街の見学もせず、次の日の朝早々に次の街に向かうバスに乗っていた。

あー、幸せの青い花が遠ざかっていく。

こんな近くまで来たのに見られないなんて。なんて幸うすい男なんだ俺は…。

 

こうして不幸な男を乗せたバスは「甘徳」をへて、次の目的地「達日」に向かって走って行った。

 

かなりがっかりしたらしく、瑪沁の写真はなんにもなかった、記憶も。写真は道路を横切るヤクと途中停まった甘徳の街。


 

じゃあもう一つの幸せ、青い石は…? 

その石、ラピスラズリはなんと東京にあった、自由が丘に。