アムドの南

中国青海省東北部チベット文化圏を中心にした旅の記録です

自由が丘で手に入れたラピスラズリ

 

東横線自由が丘駅前広場の右手の、自由が丘デパートというシブい名にたがわぬシブいビルの地下にその店はある。小さな店が並ぶ中にしゃれた飾りつけでたたずんでいる。

ここの店長が時々アムドやカムや雲南省に出かけ、アクセサリーや仏具などを買い集めてきて、それをリメイクしたりそのまま売ったりしている。

アムドやカムにたくさん友達がいるらしい、うらやましい。

 

以前は上海に店を構えていたが、5月ごろに引っ越してきた。

青海省に行く前に上海に寄り、久々の上海散歩がてらラピスラズリを買うつもりでいたので少しがっかりした。

そこで旅行ひと月前に出かけてみることにした。

ラピスラズリのブレスレットがほしいと言うと、店長がチベット人が使っていたじゅずの珠を使ってその場で作ってくれた。

       モデルはアバの三郎哈姆さん

 

チベット自治区のラサに行くと、おみやげ屋さんでいろいろな石のアクセサリーを売っている。大昭寺のコルラ道(パルコル)に並ぶ屋台の安物から、ガイドさんおすすめの高い店までいろいろある。

そこの店員がみんなチベットで取れた石だと自慢していたので、さすが昔は海の中だったチベットいろんなものが取れるんだと感心していた。

ところが、店長に聞いたら取れるのはトルコ石だけで後は昔外国から持って来たものらしい、山珊瑚も琥珀も、とうぜんラピスラズリアフガニスタン産だった。

その上真っ青な物は着色してあるらしい、真っ赤な珊瑚も着色だ。

少しがっかりだが、よく見ると時代を感じ美しい。

むかし真っ青な大きな玉を見て以来ほしいと思っていたラピスラズリがやっと手に入った。

 

そのほとんどがアフガニスタンで産出され、西に行って「ウルトラマリン(ブルー)」になり、日本に来て「瑠璃」と呼ばれるようになったラピスラズリ。テレビCMで有名になった「フェルメールの青」だ。

敦煌の壁画にも使われている。

 

左手首に着けると幸せになり、右手首だと自分を主張できると店長が言っていた。

当然左に着けて旅をした、結果は歴然だった。

店の名は「Chagamo Craft」、インターネットでも買える。