同仁→沢庫
乗り合いバスはもう満員だった、ニャン君が乗り合いタクシーを見つけてくれた。すぐに人が集まり発車した。
ホームステイ代は200元くらいでいいですよと旅行社の人は言っていたけど、楽しかったから300元渡しといた。
車は進むアムドの大地を。去年も通った道だがあまり覚えていない、たぶんうとうとしていたんだろうと思う。これからいろいろな所を車で回るんだから眠らないよう癖をつけておこうと必死で起きていた。
美しいアムドの大地だったが、これから後の旅で通った景色があまりにきれいだったのでここはほとんど覚えていない。
トイレ休憩
「沢庫」到着。乗ってきた車はまた別の客でいっぱいになった、同仁に戻るらしい。
「同徳」に行きたいんだけれどと運転手に言ってみると、あっちに行けばあると指さす、少し不安なので迷っていると、乗客の中の女性がしょうがないわねえという顔をして、私を連れて行き同徳行きの車を見つけてくれた。
しかし他の客がなかなか集まらないので車を降り街を見物した。
沢庫は不思議な街だ。
大平原のまん中に十字に道が交差してそれでおわりだ。それらしいホテルもなさそうだ。そしてバイクに乗った男たちがひっきりなしにやってきて、すぐに去っていく。
不思議なのはその男たちだ、実にカッコイイのだ。
民族衣装を片肌脱いで着て、下にしゃれた服を着ている、民族衣装は地味な色だが襟や帯ははでな色を使ってポイントにしている。ほこりよけか、寒いからか、雨よけか、長いマフラーを口や頭に巻いている。ピアスをして、じゅずを腕に巻いてブレスレットのようだ。黒く少し縮れた髪を束ねたり、まん中から分けたり、帽子をかぶったり、そのすべての組み合わせが決まっていて、そのうえその人に合っている。
もしどこかのファッション雑誌がチベット人のストリートスナップを特集するなら、私は迷うことなくこの街を推薦する。
しかしなぜこんなに気取ってこの街にやってくるのだろう。街を見渡しても別にきれいな女の子たちがたむろしているわけでもない、お店の店員に美人が多いのだろうか。確かに少ないがたまに美人は通る。
みんな町の背後に広がる平原に暮らす遊牧民だ、退屈な日常をまぎらわしているのだろうか。
残念ながら気取った男やきれいなお姉さんたちは写真を撮らしてくれない、このカップルでがまんしてもらうしかない。
YAMASAKIってどこのバイクだ、KAWASAKIのパクリか。
少し今風にするとこんな感じ
馬もいる、よく見るとイケメンかも
ロバも
今度来た時はこの街に泊まり、男たちの謎に迫ろう。などと考えていると運転手に呼ばれた、客がそろい同徳に出発だ。