アムドの南

中国青海省東北部チベット文化圏を中心にした旅の記録です

「同徳」の盆踊り

食事も終わり、すごい発見だと一人興奮して店を出た。 ホテル目指して歩いていくと、どこからか音楽が聞こえる。よく見るとホテルの隣の広場でみんなで輪になって踊っている。なんだろう? 近づいてみるとチベット人のようだ。 見物しているチベット人の女性…

「ズルズルズル」美しい響き

「同徳」に着いて「曲什安」に行く前のことだ。ホテルの部屋で荷物の整理をしていると誰かがドアをノックする。 開けてみると体育会系の男が二人立っていた、公安だ。ホテルが通報したみたいだ。パスポートを出せという、しばらく見てから返してきた、どうやらO…

曲什安の黄河大橋

「星宿海」から流れ出た黄河は、「瑪多」の街にたどり着いてからアムドの大地を縦横無尽に流れ下る、というか複雑に入り組んだ山々に行く手をふさがれ蛇行をかさねて、蘭州の街に流れ着く。 その流れを見ることができるいくつかの街を訪ねるというのも、今回の旅…

イエローポピーの群生

「沢庫」は標高3500mくらいある、「同徳」までの道は平原が続いている。もし標高が低かったらこの辺りは大都会になっていたかもしれない。 平原といっても丸い丘がいくつも続いていて遠くが見渡せるわけではない。 丘はすべて緑の草でおおわれている、まるで緑…

同仁→沢庫

乗り合いバスはもう満員だった、ニャン君が乗り合いタクシーを見つけてくれた。すぐに人が集まり発車した。 ホームステイ代は200元くらいでいいですよと旅行社の人は言っていたけど、楽しかったから300元渡しといた。 車は進むアムドの大地を。去年も通った…

さよならニャン君

六時ごろ目が覚める、おじいさんがお祈りをしている。庭を回ったり、炉で香をたいたり、仏像に祈ったり30分近くやっていた。私に部屋をゆずり外のベットで寝ていたニャン君が、洗面器に水を入れ運んできてくれた。そして問題のトイレタイムだ。がまんしよう…

チベットの家庭料理

食事の時間になった、たくさん運ばれてくる。モモ、バター茶、ツァンパ、大きなパン、スイカ、そしてビール。その後ヨーグルトとうどんのような麺も出た。 残念ながら、ツェタンさんの所で食べたせいかあまり食べられない、ずいぶん残してしまった。 大きな…

ニャン君の家族

ニャン君のおじいさん、63歳だ。 おじいさん夫婦は三人の男の子をもうけた。長男はニャン君の家の裏側にくっついているもう一軒の家に住んでいる、こっちが本家かもしれない。そして息子が結婚して一緒に住んでいて、小さい男の子と女の子がいる。 二男は坊…

同仁・ニャン君の家

不安を乗せてタクシーは街の通りを北に向かう。15分ほど走ると左に曲がり村の中に入っていく。ある家の入口で停まった、少し下ったところに門があり、子供が遊んでいた。 運転手が声を張り上げるとチベット犬が吠えだしおばあさんが出てきた。どうやらここが…

ノルツォさんの兄

やっとアムドに出発だ、「同仁」へは二時間もあれば着くと思っていたが四時間近くかかった。ゆっくり出たので昼過ぎていた。 バスターミナルは街の中心近くにあるが、低い所にあり荷物を持って坂を上がるのがきつい。街は全く木がないような印象でなんだかさみ…

アムドについての新情報

「西蔵チベット旅行社」、市内からバスに乗り東のはずれ、終点近くで降りると広場の一角にあるビルの三階だ。 日本人と地元チベット人を対象にしているので日本語は全く問題ない。今日は明日の「同仁」でのホームステイの確認に来た。 ところが忘られていた、チ…

西寧のおすすめ場所

チベット自治区を旅行する場合、たいていのツアーは成都から空路ラサに入るが、一気に3000m上ることになり、だいたい半数の人が高山病にかかる。 一日または二日くらいで順応するが、その間は頭痛で見物どころではない。 その点西寧は2000mだから、ほとん…

進歩のない僕とATM

まずは金をおろそう。街の中心「大什字」でバスを降り近くの中国銀行のATMへ、去年問題を起こしたところだ。700元おろそうとしたが、またもや金が出ずに支払証明書だけが出てきた。 いったいどうしたんだ、係の男に聞いてみると、いろいろ説明してくれるが…

冬虫夏草の市

目を覚ますと8時を過ぎていた、目覚まし時計が1時間ずれていたのだ。 今日はバスで2時間くらいで行けるはずの「夏きょう(王へんに京、なんと読むか不明)寺」へ行く予定だ。 朝飯を食べてから、宿からすぐのバスターミナルに行ってみる。 「化隆」行きに乗り「托…

西寧はホテル不足

旅行を計画した頃にちょうど鳥インフルエンザが流行しだした、さすがに困った。特に年寄りは死亡率が高いとなるとなおさらだ。 安い飛行機でしばらく行っていない上海に行き、一日散歩してから列車で青海省に向かおうか、知らない中国人と乗り合わせてみたい…

時代は変わる

こんなことは初めてだった。その1 前回の旅行で起きた銀行のATMでのVISAカード問題をふせぐため、東京大手町の中国銀行に行って銀れんのカードを作った。 旅行に使う金を円で入金したが、元の方がトラブルが少ないと思ったので円の高い日をねらって換金しに…

幸せの色は…青

青い鳥が幸せの鳥なら、 幸せの石や幸せの花も青だろうか… 青い石はラピスラズリ、青い花はブルーポピー、 その幸せを求めてまたアムドに向かう。 2013年6月26日から7月15日まで三回目のアムドの旅をした。いろいろな人のブログの旅行記を見てルートを決めた…

四、エピローグ

西安までの列車は夜の8時頃発車する、それまで会社で聞いた茶芸に行って、お茶を飲み本でも読んで時間をつぶそうと探していると、本屋があった。青海省の地図を持ってレジに行くと横に女の子の三人組がいた、うまく買えず迷っているといろいろ教えてくれた…

三、トイレは24hどこでもOK

電話を終えてもまだ2時頃だ、そうだCカード騒ぎで行けなかったタール寺へ行こう。「湟中」へは頻繁にバスが出ている1時間もかからない。この寺は西寧から近く、高度順応や日程の調整もあるのだろう観光中の中国人であふれかえっている、おまけに入口は厳…

二、「チョデム」で切りかえす

その前にまず腹ごしらえだ、すっかりごきげんになってしまった僕はビールで乾杯することにした。しかし西寧でよく冷えたビールを出す店を探すのは難しい。冷たい酒を飲むことは体に悪いと信じてきた中国人だがこの頃はどこでも出るようになってきた、西のは…

一、不幸は向こうからやって来る

アムドには去年も行った。チベット・ラサのデブン寺のショトン祭を見た帰り、「マトゥ」に行ってみたくて西寧の旅行社を訪ねてみた。もう手持ちの現金があまりないのだけれど行けるだろうかとたずねると、クレジットカードがあれば大丈夫、中国銀行のATM…

アムドめぐり

2012年6月29日から7月13日まで中国青海省東北部アムド、チベット文化圏といわれる地方を旅した記録です。けっこうおもしろいことがあったので記録してみました。かなり長文ですがよろしかったら読んでみてください。 アムニェ・マチェンから流れ出た氷河